日本大手のネットショッピングサイト『楽天市場』が独占禁止法違反の疑いがあるため、公正取引委員会が調査に入ったというニュースが流れました。
『3980円以上の買い物をした方は送料無料となる』という規約改正がなぜ独占禁止法違反にあたるのでしょうか?
これから楽天市場がサービス停止で使えなくなったり、今後の処分はどうなるのでしょうか?
気になったので調べてまとめていきます!
楽天市場が送料無料化で独占禁止法違反の疑い
楽天市場は『送料無料化』でなぜ独占禁止法違反の可能性があるのでしょうか?
『送料無料化』というフレーズだけ聞くと消費者はお得感を感じるので、大歓迎だと思います。
しかし今回の場合は、楽天の送料無料化へのやり方に問題があったようです。
yahooニュースの読売新聞オンライン上ではこのようなに記事が出ています。
独禁法は、自己の取引上の地位が優位にあることを利用し、取引先に不当な不利益を与える「優越的地位の乱用」を不公正な取引方法の一つとして禁じている。送料無料化はまだ始まっていないが、公取委は、楽天が一方的に規約を変更して送料無料化を決めたことが、優越的地位の乱用にあたる可能性があるとみて調べる。
このニュースを読むと、送料無料化自体は問題ではないが、『楽天が一方的に規約を変更して送料無料化を決めたことが、優越的地位の乱用にあたる可能性がある』とあります。
つまり楽天側が『3980円以上の買い物をすると送料無料化というルールを3月から始めるよ!』と半ば強制的に店側に通達し、従わせようとしたことが問題のようです。
ニュースでも『一部の出店者が今年1月22日、公取委に約1700名分の署名とともに、送料無料化を撤回させる排除措置を求めていた。』とあるので相当反発は強かったと思います。
消費者側の送料を無理やり負担させられたら店側はたまったものじゃないですよね~
楽天市場のサービス停止の可能性は?
今回の場合今年の3月からの『送料無料化』を求める規約変更を行っていたので、まだ規約は適用されていません。
ですので、楽天市場がいきなりサービス停止するという可能性はなさそうです。
しかし独占禁止法(不公正な取引方法)に違反しているなら何かしらの処分が下されそうです。
いったい今後どのような処分が下されるのでしょうか?
楽天市場の今後の処分について
公正取引委員会の公式サイトによれば、独占禁止法の事件であれば以下のような審査活動を行われるようです。
独占禁止法違反事件の審査は,1.事件の端緒の収集,2.事件の審査の順に進み,3.事件の審査により違反事実が認められると,行政処分の場合であれば,事前手続を経て排除措置命令・課徴金納付命令が行われ,刑事処分相当の場合であれば,検事総長への告発が行われます。
引用元:公正取引委員会
以上の公正取引委員会の違反事件の審査活動から、
今後は排除措置命令、課徴金納付命令のどちらかは確実に行われることとなります。
今回の楽天の場合3月からの規約改正に伴う『送料無料化』なので排除措置命令が下される可能性が高そうです。
課徴金納付の金額はどれくらい払わないといけない?
もしも課徴金納付命令が出るとすればどれくらいの支払いをしないといけないのでしょうか?
調べてみると、カルテルであれば、その実行期間中(最長3年間)の対象商品の売上額を基に算出されるようです。
事業者の規模や業種ごとに決められた算定率をかけて計算されるようです。
業種ごとのパーセンテージは
- 製造業等 大企業10%、中小企業4%
- 小売業 大企業3%、中小企業1.2%
- 卸売業 大企業2%、中小企業1%
と決められています。
これまでの課徴金納付命令の1社に対する最高額は約131億円で、日本郵船が自動車を輸出する船便の貨物運賃を巡り価格カルテルを結んだ事件に対して、支払い命令がありました。
このような大企業の違法事件は珍しいので、とてもビックリしますよね~普段から楽天市場を使ってるユーザーはこれからサービスを利用できなくなる可能性がないか特に心配になりますよね!
今後このようなことが起こらないように気をつけてほしいものです。
まとめ
楽天市場の送料無料化に対する独占禁止法(不公正な取引方法)違反の理由は、『楽天が一方的に規約を変更して送料無料化を決めたことが、優越的地位の乱用にあたる可能性がある』から。
今後の処分に関しては排除措置命令が下される可能性が高そうです。
また今後サービス停止の可能性はなさそうです。